サービス残業を考える

数年前に「名ばかり店長」という本が出版され話題になりました。この本は大手ハンバーガーショップの店長が自らの労働環境について暴露した本ですが、「名ばかり店長」とはまさしくサービス残業の進化したものといえます。
「名ばかり店長」の目的は残業代の支給を減らすことです。法律により企業は従業員に対して1日8時間、週40時間を超えて働いてときは割り増しで残業代を支払わなければなりません。こうした人件費の増大をを避けるために「店長」という肩書きを与えたのが「名ばかり店長」のゆえんです。管理職になりますと残業代を支払わなくて済むことを悪用したやり方といえます。
このように企業はいろいろな手段を講じて人件費、とくに残業代の支払いを少なくて済むような方策を考えます。そのひとつにサービス残業があります。サービス残業とは「サービス」と名がついているように、従業員が残業をサービスで提供することです。つまり残業代が支払われない残業のことをいいます。
因みに、割り増しとは労働時間の延長の場合は通常の賃金の2割5分増しで休日出勤の場合は3割5分増しと決められています。
サービス残業は企業側にとっては理想的な働き方ですが、従業員にとっては不利な働き方です。本来は、労働基準法によってサービス残業は禁止されていますが、実態は多くの職場で行なわれています。こうした労働環境がなかなか改善されないのは大きくわけて2つの理由があります。ひとつは、いわゆるパワハラといわれるものですが、上司が強面で有無を言わせぬ雰囲気を職場に作りサービス残業が常態化しているケースです。そして、あとひとつは労働時間に対する従業員の意識が弱いケースです。
パワハラでのサービス残業は最も悪質といわれても仕方ありません。確信犯といえるものですから従業員を安い賃金で働かせようという意図が見えます。このような企業は善良が庶民が働く場所ではありませんが、不景気の世の中では受け入れざるを得ない部分もあります。しかし、許容範囲を越えている場合は連合などのような公共機関の労働組合や個人で加盟できる労働組合ユニオンに訴えることも考えるべきです。
あとひとつの要因である従業員の意識が低いケースについては各従業員が自分のことだけでなく働く人全体のことを考えて行動する気持ちを持つことが大切です。
サービス残業を受け入れるということは労働力のダンピングといえるもので決してよい状況ではありません。働く側が競って安い賃金を受け入れることは労働者全体から見た場合に労働環境を低くすることにつながります。自分だけがよければいい、という発想ではなく労働者全体のことを考えて行動することが大切です。